
ゲーム実況や配信、音楽制作、ハイレゾ音源の再生――こうした用途で音質のクオリティを追求する方にとって、「サウンドカードの導入」は避けて通れない選択肢です。中でもよく議論されるのが、外付け型と内蔵型どちらのサウンドカードを選ぶべきかという問題です。
結論から言えば、「どちらが優れているか」は用途によって異なります。たとえばノートPCで配信を行う方には外付けが圧倒的に便利ですが、FPSなどのゲーミング用途では内蔵型が優位になるケースもあります。
この記事では、外付け・内蔵のサウンドカードから、両者の特徴・メリット・デメリットを詳しく比較。さらに、どんな人にどちらが向いているのかを具体的に解説し、あなたに最適な選び方をお届けします!
外付けサウンドカードとは?

外付けサウンドカードとは、USBなどを通じてパソコンに接続するタイプのオーディオデバイスです。ドライバ不要の「プラグアンドプレイ」対応モデルも多く、ノートPCユーザーや配信者の間で人気があります。
外付け型のメリット
- 接続が簡単で導入しやすい
→ USBポートに挿すだけで利用可能。PC内部を開ける必要がなく初心者向け。 - 持ち運びに便利
→ ノートPCや複数デバイスでの共用に最適。イベントや出先でも使用可能。 - ノイズ耐性が高い
→ PC内部のノイズ源(電源・マザーボード)と物理的に距離があるため、ノイズ除去性能が優秀。 - マイクやヘッドホン端子が強化されているモデルが多い
→ ゲーム実況・配信時の音質向上や声の明瞭さの改善に有効。
外付け型のデメリット
- 音声出力の遅延が発生する可能性
→ USB接続によりレイテンシー(遅延)がわずかに出ることも。特に音ゲーやFPSには不向きな場面もある。 - 拡張性が限定的
→ 多チャンネル出力やハード的なアップグレードが難しく、高度なサラウンド環境には不向きな場合も。 - 常に机上スペースを取る
→ デスク周りにデバイスが増えるため、設置スペースの確保が必要。
内蔵型サウンドカードとは?

内蔵型サウンドカードとは、PCのマザーボードに直接取り付けるタイプの拡張カードです。一般的にはPCI Express(PCIe)スロットに装着するもので、主にデスクトップPCで使用されます。
高音質・低ノイズ・高機能が魅力で、ゲームや音楽制作、オーディオ環境を本格的に構築したいユーザーに広く選ばれています。
内蔵型のメリット
- 音質が安定しやすく高精度
→ ノイズ対策回路やシールド構造がしっかりしており、S/N比の高いクリアな音質を実現。 - 多チャンネル・サラウンド対応が充実
→ 7.1chなどのサラウンド出力に強く、映画やFPSゲームでの定位感が格段にアップ。 - 専用ソフトによる細かい音響制御
→ イコライザー、バーチャルサラウンド、マイクブーストなどの調整機能が豊富。 - USBポートを占有しない
→ 外付け型と異なり、PCの外部端子を使わずに済むため配線がスッキリする。
内蔵型のデメリット
- 取り付けに知識が必要
→ PCケースの開閉やパーツの増設作業に慣れていない人にとってはハードルが高い。 - ノートパソコンでは使えない
→ デスクトップ限定のため、持ち運びやすさは一切期待できない。 - 価格帯がやや高め
→ 高機能モデルが多いため、導入コストが外付け型よりも高くなる傾向がある。
サウンドカードの「外付け」と「内蔵」の違いをもっと詳しく比較
サウンドカードを選ぶ際に多くの人が悩むのが、「外付け」と「内蔵」どちらが自分に合っているか、という点です。ここでは、両者の違いをより具体的に、表を用いて5つの観点から比較します。
比較項目 | 外付けサウンドカード | 内蔵型サウンドカード |
---|---|---|
接続方法 | USBやLightningなどケーブルで接続 | PCIeスロットに直接取り付け |
対応機種 | ノートPC・デスクトップ共に対応 | デスクトップPCのみ対応 |
設置・携帯性 | 小型で持ち運び可能、据え置きもOK | 内蔵型のため持ち運び不可、常設前提 |
ノイズ耐性 | 外部設置により電気的ノイズに強い | ノイズ対策設計が必要(高品質モデルに限る) |
カスタマイズ性 | 設定はソフト中心で限定的 | ハードとソフトの両面で設定が可能 |
それぞれに明確な強みがあり、例えば配信や動画制作には外付けが便利で、ゲーミングや高音質再生には内蔵型が向いているといえます。
また、外付けは導入コストや手軽さを重視するユーザー向けであり、内蔵型は環境構築にこだわるユーザー向けとも言えるでしょう。
意外と多いサウンドカード選びの誤解と正しい知識
サウンドカードの外付け・内蔵を比較する際、以下のような誤解が広く見られます。正しい選択をするためにも、事実を整理しておきましょう。
誤解 | 実際には? |
---|---|
「外付けはすべて低音質」 | 高級USB DACは非常に高音質で、内蔵型より優れることも |
「内蔵型は取り付けが難しい」 | 最近は取り付け動画も豊富で、初心者でも対応可能 |
「ゲームにサウンドカードは不要」 | 足音の位置把握や遅延削減にはサウンドカードが効果大 |
「ノートPCにはサウンドカードが使えない」 | 外付けなら問題なく対応可能。配信用にも最適 |
誤解を解消することで、あなたに本当に合ったモデルを選びやすくなります。
内蔵型サウンドカードを導入する際に知っておくべき4つのポイント
高性能な内蔵サウンドカードは魅力的ですが、導入時に意識すべき注意点もいくつかあります。
- PCIeスロットに空きがあるかを確認
- グラボやキャプチャーボードを搭載しているPCでは物理的にスペースが足りないことも。
- OSやドライバの互換性
- 特に古い製品やWin11対応状況は事前に確認を。
- ケース内のエアフロー対策
- 高性能カードは発熱も大きいため、エアフロー確保が必要です。
- 空き容量のチェック
- ハードディスクやメモリに空き容量がない場合、使用する際に支障が出る場合があるため、空き容量のチェックは忘れてはいけません。必ず確認しましょう。
導入前にこれらをチェックすることで、トラブルなく快適に使用できます。
外付け・内蔵型サウンドカードのどっちを選ぶ?|用途別おすすめ

サウンドカード選びで外付けと内蔵の選択に迷ったら、まずはあなたの用途に合わせて考えるのがベストです。以下に代表的な使用目的ごとに、どちらが適しているかを比較してみましょう。
おすすめのサウンドカードはこちら
配信・実況・通話がメイン → 外付けサウンドカード
- USB接続で即利用可能
- マイク端子の音質が優秀なモデルが多い
- ノイズ除去や音量調整機能が充実
- デバイスの取り外し・切り替えも簡単で、OBSやDiscordとの相性も抜群
FPS・対戦ゲームを極めたい → 内蔵型サウンドカード
- 音の定位・足音の方向感が向上
- 7.1chバーチャルサラウンド対応で空間認識に強い
- ゲーム中の音の遅延(レイテンシー)が少なく、プロゲーマーにも愛用者多数
音楽・動画鑑賞を高音質で楽しみたい → どちらもOK(環境で選ぶ)
- ノートPCなら外付け、デスクトップなら内蔵型が便利
- ハイレゾ音源再生や、音の厚みを求めるならDAC性能の高いモデルが鍵
- スピーカーとの接続性や、出力端子の種類もチェックポイント
ノートパソコンを使っている → 基本的に外付け一択
- ノートPCにはPCIeスロットがないため、内蔵型は物理的に使えません
- 省スペース&USB駆動対応の外付けタイプが最適です
サウンドカードは“外付け”か“内蔵”か? 最適な選び方まとめ
サウンドカード選びは、あなたの使い方次第で最適な選択が大きく変わります。
- 配信や実況メインなら、接続が簡単でノイズに強く、複数のPCでも使い回せる「外付けサウンドカード」が便利です。
- FPSや対戦ゲームの音で差をつけたいなら、定位感やサラウンド対応に優れた「内蔵型サウンドカード」が圧倒的におすすめ。
- 映画や音楽を高音質で楽しみたい方は、PC環境(ノートかデスクトップか)に応じて最適な形式を選ぶのがベター。
どちらにも優秀なモデルがあり、ノイズ除去機能・高音質出力・多チャンネル対応といった機能面での進化が著しい今、選択肢はかつてないほど豊富です。
もし迷ったら、まずはUSB接続で手軽に使える「外付けモデル」から試すのも良い選択です。こだわりたい方は、内蔵型で本格的な音響環境を構築してみてはいかがでしょうか。
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