
FPSで「あと一発」が当たるかどうか──その差を生むのが360Hzゲーミングモニターです。
一秒間に360回もの描画が可能なこの超高速リフレッシュレートは、プロゲーマーや大会シーンで“勝つための常識”となりつつあります。
240Hzでも十分高性能と思われがちですが、360Hzモニターでは敵の動きがより滑らかに見えるため、追いエイムの精度や撃ち合いの反応速度に明らかな違いが出ます。
実際に「VALORANT」や「CS2」といった競技FPSでは、360Hz環境を導入しているトッププロも増加中。
とはいえ、すべてのゲーマーにとって必要というわけではありません。360Hzは適切なスペック・接続・ゲームタイトルを揃えてこそ、その真価を発揮します。
本記事では、360Hzゲーミングモニターの基礎知識から選び方、実際におすすめできるモデル7選まで、ゲーミングデバイス特化サイトならではの視点で徹底解説します。
あなたに最適な1台がきっと見つかるはずです。
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360Hzゲーミングモニターとは?|144Hzや240Hzとの違いを解説

リフレッシュレートとは?
リフレッシュレートとは、モニターが1秒間に何回画面を書き換えるかを示す数値(Hz)です。
たとえば144Hzなら毎秒144回、240Hzなら240回、そして360Hzは1秒間に360回もの更新が行われることを意味します。
リフレッシュレートが高ければ高いほど、画面の動きは滑らかに。
FPSやバトロワなど高速で動く敵を追うゲームでは、とくにこの数値がプレイ体験を大きく左右します。
360Hzはどれくらい違う?144Hz/240Hzと比較
リフレッシュレート | 主な用途・ターゲット | 特徴 |
---|---|---|
144Hz | 一般ゲーマー向け | 主流スペック。多くのゲームに対応 |
240Hz | 競技寄りゲーマー向け | 高速FPSに最適。プロ使用も多い |
360Hz | eスポーツ競技層 | 滑らかさの極限。0.1秒の反応勝負向け |
360Hzは240Hzよりもさらに1.5倍高速であり、視認性の面でも優位性があります。
たとえば、スライドピーク(チラ見)やジャンプ撃ちに反応するまでの“視覚的余裕”が広がるため、撃ち合いでの生存率が向上します。
どんなゲームジャンルで効果を発揮する?
以下のような“一瞬の反応”が求められるゲームで、360Hzの恩恵はとくに大きいです:
- VALORANT(ヴァロラント)
- CS2(カウンターストライク2)
- Apex Legends
- Overwatch 2
- Fortnite(フォートナイト)
逆に、RPGやストラテジー、シミュレーション系ではそこまで高リフレッシュレートの恩恵はありません。
そのため、自分が主にプレイするジャンルが「競技系FPS」中心かどうかが360Hz導入の分かれ目になります。
360Hzゲーミングモニターの選び方【性能と快適さを見極める】

360Hzというハイエンドな性能を活かすには、ただ「リフレッシュレートが高い」だけでなく、細かいスペックや機能性まで目を向けることが重要です。
以下では、選ぶ際に注目すべきポイントを解説します。
パネルの種類:IPSかTNか?
パネル種類 | 特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|
IPS | 色再現性が高く、視野角が広い | 動画編集や普段使いと兼用 |
TN | 応答速度が速く価格も安い | eスポーツ特化、プロも愛用 |
360Hzゲーミングモニターの中には、応答速度を優先してTNパネルを採用するモデルが多数あります。
ただし、最近ではIPSでも1ms(GtG)以下の応答速度を実現している製品も登場しており、画質と速度の両立が可能です。
応答速度:GtG(Gray to Gray)重視
応答速度とは、画素の色が変化する速さを示す数値。360Hzの描画スピードを活かすには、1ms以下(できれば0.5ms以下)が理想です。
「MPRT(Motion Picture Response Time)」表記は残像感に関連しますが、比較の際は“GtG”表記で判断するのが確実です。
解像度と画面サイズ:FHDが主流
360Hzに対応しているゲーミングモニターは、フルHD(1920×1080)解像度が基本です。
これは、高リフレッシュレートでの安定描画を確保するため、描画負荷を軽減する設計になっているからです。
サイズは24.5インチ前後が一般的。画面が大きすぎると逆に視認性が落ちるため、FPSでは24インチ台が最適とされています。
接続端子:DisplayPort 1.4が必須
360Hz出力を行うには、DisplayPort 1.4の使用がほぼ前提です。
HDMI接続では帯域不足により、360Hzが出ず上限240Hzになるケースもあるため要注意。
G-SYNCやFreeSync対応
描画ズレやティアリングを防ぐため、G-SYNC(NVIDIA)やFreeSync(AMD)の対応もチェックしましょう。
特にFPSでは「画面割れ」がプレイ精度を落とす要因になるため、可変リフレッシュレート技術の有無は重要な判断材料です。
スタンド調整・VESAマウント対応
長時間のプレイで姿勢を保つためにも、高さ・角度・回転の調整ができるスタンドを備えたモデルが理想です。
また、VESAマウント対応ならモニターアームに取り付けて快適なゲーミング環境の構築も可能になります。
【2025年版】360Hzゲーミングモニターおすすめ7選
360Hzゲーミングモニターは性能が非常に高いため、選ぶ際にはリフレッシュレートの安定性・応答速度・接続端子・G-SYNCなどの機能性をチェックすることが重要です。
以下では、FPSプレイヤーや競技ゲーマーにおすすめの360Hzゲーミングモニターを厳選してご紹介します。
1. ASUS ROG Swift PG259QN
- 特徴:世界初の360Hz対応モニターとして登場。G-SYNC対応で応答速度も0.5ms(GtG)と高速。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DisplayPort 1.4 / HDMI 2.0
- おすすめポイント:
- NVIDIA公認のeスポーツモデル
- エルゴノミクスに優れたスタンド
2. Dell Alienware AW2524HF
- 特徴:最大500HzにOC可能なハイエンドモデル。IPSパネルで画質も良好。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DisplayPort 1.4 / HDMI 2.1
- おすすめポイント:
- G-SYNC + Reflex Analyzer対応
- 豊富な入力端子とUSBハブ
3. BenQ ZOWIE XL2566K
- 特徴:公式には360Hz表記ではないが、DyAc⁺搭載で実質360Hzに近い映像体験。CS2やVALORANTでの人気が高い。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DisplayPort 1.2 / HDMI
- おすすめポイント:
- プロ使用率が高い
- 残像感がほぼゼロ
4. Acer Predator X25
- 特徴:リフレッシュレート360Hz・応答速度0.3msのIPSモデル。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DisplayPort / HDMI / USBハブ
- おすすめポイント:
- VESA DisplayHDR 400対応
- RGBライティング搭載
5. MSI Oculux NXG253R
- 特徴:NVIDIA G-SYNC Ultimate対応の360Hzモニター。低遅延設計。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DisplayPort / HDMI
- おすすめポイント:
- eスポーツ向け調整済み設定
- スタンドが非常に柔軟
6. Lenovo Legion Y25g-30
- 特徴:360Hz・IPSパネル・HDR対応。デザイン性も高く、ビジネス兼用にも最適。
- サイズ・解像度:24.5インチ / FHD
- 接続:DP / HDMI / USBハブ
- おすすめポイント:
- USB-Cにも対応
- 映像美と高速描画の両立
7.alienware 27 360hz qd-oled ゲーミングモニター- aw2725df
- 特徴:量子ドットOLED(QD-OLED)パネル搭載で、超高速360Hzと鮮やかな発色を両立。
- サイズ・解像度:27インチ / WQHD(2560×1440)
- 接続:DisplayPort 1.4、HDMI 2.1、USBハブ搭載
- おすすめポイント:
- HDR400 True Black対応で深い黒と高コントラスト、FPSゲーマーに最適な応答性能。
360Hzゲーミングモニターを活かすPCスペックとは?

360Hzゲーミングモニターは、ただ接続すれば性能を発揮するわけではありません。PC側のスペックが不足していれば、描画が追いつかず、360Hzのメリットを享受できないのです。ここでは、必要なPC構成をパーツごとに解説します。
グラフィックボード(GPU)はRTX 4070以上が目安
FPSゲームで360fpsを出すには、非常に高い描画性能が求められます。
以下のGPUが推奨です:
- NVIDIA RTX 4070 / 4070 Ti / 4080 / 4090
- AMD Radeon RX 7900 XT / XTX
とくに「VALORANT」や「CS2」など軽量なタイトルであれば、RTX 4070でも安定して360fps前後を狙えます。ApexやFortniteなど重量級タイトルでは、RTX 4080以上が現実的です。
CPUはIntel Core i7 / Ryzen 7以上が理想
GPUだけでなく、CPUの処理速度も重要です。
CPU性能がボトルネックになると、フレームレートが安定せず描画がカクつく原因になります。
推奨CPU:
- Intel Core i7-13700K以上
- AMD Ryzen 7 7800X3D以上
特に「X3Dシリーズ」はゲーム向けに最適化された構造で、高fpsを安定させやすいです。
メモリは16GB以上(3200MHz~)
360Hzでの描画を安定させるためには、最低でも16GBのメモリが必要です。
FPSゲーマーであれば、32GB(16GB×2)構成+高速メモリ(3200MHz以上)が推奨されます。
ストレージはNVMe SSDを選択
fpsの安定性とは直接関係しないものの、ゲーム起動やマップ読み込みの速度を高めるためには、NVMe接続のSSDがベスト。
SATA接続のSSDでも動作に問題はありませんが、将来的な拡張性も考えるとGen4 NVMe SSDがおすすめです。
ノートPCでの360Hz運用は可能?
2024年以降、360Hz対応のゲーミングノートPCも増加しています。
たとえば「Alienware x16」や「ROG Zephyrus M16」などが該当モデルです。
ただし、外部モニター接続時はDisplayPort出力が必須となるため、Thunderbolt 4 / USB-C(DP Alt Mode)対応を確認しましょう。
よくある質問【FAQ】
Q1. 360Hzゲーミングモニターは本当に必要ですか?
競技系FPSやeスポーツタイトルでガチ勢を目指すなら、必要性は高いです。
240Hzとの差はわずかに見えるかもしれませんが、実際のゲームプレイでは追いエイムの精度や索敵時の視認性に明らかな差があります。
Q2. PS5やSwitchで360Hzは使えますか?
いいえ、使えません。
PS5やSwitchは最大120Hzまでしか出力できず、360Hzのリフレッシュレートは活かせません。
360HzモニターはPCゲーマー専用のハイエンドモデルです。
Q3. 360Hzと240Hzの違いは体感できますか?
体感には個人差がありますが、反応が求められる場面では確実に差を感じることができます。
特に、「敵のチラ見」や「ジャンプ撃ち」など、一瞬の動作に対する追従性の高さは360Hzならではの魅力です。
Q4. HDMI接続でも360Hzは出ますか?
基本的には出ません。
360Hzでの表示にはDisplayPort 1.4が必要で、HDMI接続では上限240Hzとなるケースが多いです。
モニターとGPUの両方がDP 1.4対応しているか確認しましょう。
Q5. どんなゲームで360Hzの恩恵がありますか?
以下のような反応速度が勝敗に直結するFPSタイトルで、360Hzの恩恵が最も大きいです:
- VALORANT
- CS2
- Apex Legends
- Overwatch 2
- Fortnite
まとめ|360Hzゲーミングモニターで差をつけろ!
360Hzゲーミングモニターは、単なる高性能なデバイスというだけでなく、競技レベルでの勝率や実力を底上げするための“武器”です。
もちろん、240Hzゲーミングモニターでも十分な性能はあります。しかし360Hzを選ぶことで、
- 画面描写の滑らかさが向上
- 視認性が高まり、反応速度が有利に
- 大会やプロ使用モデルと同環境で練習可能
といった、ハイエンドならではのアドバンテージを得ることができます。
とはいえ、360Hzの性能を最大限活かすには対応するPCスペックやDisplayPort接続、使用タイトルとの相性も重要です。
この点を理解したうえで導入すれば、今まで以上に快適で正確なエイム、そして勝率アップが狙えるでしょう。
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